JAなんぽろ女性懇談会でお話してきました。
聞いてくださったのはアグリマダムの皆さん。年齢は50〜70代という事で閉経後の女性の疾患と健康維持、それに役立つ大豆イソフラボンについてお話しました。
閉経後の約35年
女性の平均寿命はおおよそ87歳。日本女性の平均寿命は今や香港に次いで世界2位です。
閉経年齢は以前とほとんど変わらず約50歳である為、女性は女性ホルモン・エストロゲンが極端に少ない状態で約35年過ごす事になります。
女性ホルモンが極端に少ないという事は…
女性は女性ホルモン・エストロゲンによって全身が「守られている」状態にあります。
エストロゲンの働きは胸が大きかったり、妊娠・出産、肌が潤うだけでは無く「骨を丈夫にする」「血管をしなやかする」「肝臓の機能を安定させる」「脳に働き記憶力を保つ」など「生きる事」に重要な役割を持っています。
そのエストロゲンが閉経後、男性よりも少ない量になってしまうという事は女性の身体にどんな変化をもたらすでしょうか。
守られなくなった骨・血管・肝臓・脳は表面には現れないけれど、確実に悪化していき「骨粗鬆症」「高血圧」「動脈硬化」「脂質異常症(コレステロール値の上昇)」「物忘れ・認知症」へと繋がります。
そしてこれらの病気は閉経後すぐではなく10〜15年経ってから気づく事が多く、気付いた時には手遅れになっている場合もあります。
むかしから大豆は…
先日の発酵食品のコラムでもお伝えしましたが(→こちら)味噌や納豆など大豆食品は以前より身体に良いと言われています。
特に納豆はたくさんの栄養素が含まれ、骨や心臓に良い事もわかって来ています。
大豆イソフラボンには優れた力があると研究されてきましたが、その中でも最もエストロゲンに近い作用をすると言われているのが形が一番似ている「エクオール」という物質です。
このエクオール大豆食品を食べて身体の中で作れる人は日本人の約50%。あまり大豆食品を食べなくなった若い方、そして私の暮らす北海道においては約30%しか作れません。これは欧米人並。
その昔は「日本人は骨粗鬆症・乳がん・前立腺がんになりずらい」と大豆の研究をしていた欧米人。
(大豆イソフラボンは女性ホルモンと同じ働きもしますが場所によって反対の働きもし乳がんに対してはなりづらい方向に働くことがわかっています)
その人達と同じレベルという事はこれから先、日本人も骨粗鬆症や動脈硬化、脂質異常症…などに悩まされて行くという事になりますし、現に今そのような疾患に悩まされる人が多くなってきました。
エクオールは最小限の女性ホルモンの役割
エクオールはエストロゲンと同じような働きをしますが、それは最小限の働きです。
それでも極端に少なくなってしまった女性にとっては砂漠のオアシス。
閉経後が約35年にも伸びた現代日本女性。
健康寿命を伸ばすには、どうにかして男性と同じレベルまでエストロゲン量を回復させる必要があります。
納豆を食べてエクオールが作れる人はラッキーです。
そうでない方はちょっと考えてみても良いかもしれません。