アンチエイジングな栄養療法

11/17に行われた日本更年期と加齢のヘルスケア学会 北海道支部勉強会からお伝えします。

帯広の満岡内科・循環器クリニック 満岡孝雄院長のお話を元にまとめました。

糖質制限

何かと話題の糖質制限ですが炭水化物を目の敵にして「ご飯を全く食べない」などと言う極端な制限をしていませんか?

炭水化物は「食物繊維」と「糖質」から出来ています。

食物繊維はお通じのためにも腸内細菌のためにも必要なもの。ご飯は悪者ではないのです。

「糖質」は摂り過ぎる事で血糖値が急激に上がりインスリンが増加することでブドウ糖が中性脂肪へと変化、体脂肪として蓄積し肥満へと繋がります。

もちろん白米に糖質は含まれますが当然ケーキにもお酒にも入っています。かぼちゃや芋類、果物にだって糖質は含まれています。

ご飯を抜いてケーキを食べても意味は有りません。

果物や野菜が身体に良いとたくさん食べるとご飯をちゃんと食べるよりも糖質をとっている事にもなりかねません。

エネルギー代謝が多い若い人は糖質多めでもOKです。無理なダイエットは骨にも影響します。

基礎代謝量が落ちていく40歳以降の女性はある程度の糖質制限は必要かもしれませんが、糖質が総エネルギーの30%を切ると弊害が起きて来ます。緩やかな糖質制限を心がけてください。

燃焼回路を回すには

体内にはエネルギーを作り出す回路が存在します。

そこにはいくつものビタミンやミネラル、タンパク質が必要となります。

特にビタミンB群はあらゆる過程に関わって来ておりとても重要です。

ビタミンB群は乳酸が出来るのも防ぎますから肩こりにも効果があると言えます。

腸内細菌の力により、食物繊維を多く摂るとビタミンB1が、トリプトファンという成分を摂るとビタミンB3を作り出されます。

この様に腸内環境が良くなければビタミンを作り出せません。

腸内環境を整えることはエネルギー代謝にとても重要となって来ます。

(腸内環境を整えるためにどうするかは前々回のコラムを →こちら

玄米やもち麦を白米と混ぜるとカロリーも糖質も抑えられ、ビタミン・ミネラル類を多く摂る事が出来食物繊維も摂れます。

セロトニンの90%は腸にある

心と関係の深い「セロトニン」幸せホルモンとも呼ばれていますね。

セロトニン不足の人は気持ちがコントロールできなくなったり、脳の機能や心のバランスがうまく取れなくなる為脳にたくさん存在すると考えがちですが、実は90%は腸の中に存在。

セロトニンは先ほど出て来たトリプトファンから作られ、眠りのホルモン・メラトニンへと変化します。

ぐっすり眠れない人もセロトニン不足の可能性が有ります。

こちらもやはり腸内細菌が関わってセロトニンが作られます。

トリプトファンの多い食べ物は根菜やきのこ、肉、魚、大豆食品、乳製品。

セロトニンはリズム運動でたくさん出来ると言われています。歩行などのリズム運動、呼吸などでリズムを作る他「咀嚼」もリズム運動になります。

無意識に食べずある程度の硬さのものを意識して咀嚼する事でリズムが産まれます。運動ばかりでは無く「噛む」という事にも心を向けましょう。

「食事」が健康の為に大変重要だという事に意識を持ちましょう。

 

40歳以降のアンチエイジングな栄養療法としては、無理な糖質制限はせず、カロリーにばかり目を向けずタンパク質・ミネラル・ビタミンを考え燃焼回路を動かす食事を摂る事。便秘解消や腸内環境の為に食物繊維を摂る事などが重要です。