女性の貧血

女性と貧血は切っても切れない関係。貧血といえば「鉄分」と思っていませんか?実は…

貧血は鉄不足だけじゃない

貧血とは酸素を全身に運ぶヘモグロビン(Hb)が減る事で、身体の隅々にまで酸素を届ける事が出来ず酸素不足になる事を言います。

女性は毎月の月経や妊娠・授乳で血液の必要量が増える事など貧血になりやすいのは皆さんもご存知でしょう。

最も有名なのが「鉄欠乏性貧血」

ヘモグロビンができる時鉄を必要とします。

そのため体内の鉄分が不足するとヘモグロビンの合成がうまくいかなくなり貧血が起こります。

不規則な食事やダイエットの他、胃潰瘍などの病気でも鉄不足になります。

他にも「ビタミンB12」や「葉酸」が不足しておこる貧血もあります(巨赤芽球性貧血)。

この二つが不足すると正常な赤血球が作られないため、倦怠感やめまい、食欲不振や下痢などの症状が現れます。

菜食主義の人はビタミンB12不足になりがちです。

またごく稀ですが骨髄の病気で起こる再生不良性貧血などもあります。

フェリチンの値が重要

最も多い鉄欠乏性貧血の治療には鉄剤を服用します。服用2〜3ヶ月ほどで血清鉄の数値が正常となり症状は治ります。

ここで飲むのをやめてしまう人が多く見られますが、薬をやめると再発の可能性があるので注意です。

血液中の鉄分数値が正常となっても鉄分を貯めておく所がカラならまたすぐ貧血となってしまうため、貯蔵鉄の指標となる「フェリチン」が十分な数値になるまでさらに数ヶ月鉄剤を飲んでください。

食事はバランスよく

食事は「これを食べれば…」というものでは無くバランス良く食べる事が大事。

何故ならそれぞれがお互いをカバーしたり相乗効果を発揮したりするからです。

鉄分の多い食品はレバー、ヒレ肉、あさり、卵、鰹などの動物性食品が思い浮かびますが、豆乳や木綿豆腐、納豆、小松菜など植物性ものにもちゃんと含まれています。(昔は鉄分と言えば「ひじき」でしたが、文部科学省は「日本食品標準成分表2015年版 (七訂)」で「ひじき」の可食部100g当り鉄分含有量を、「鉄釜だと58.2mgの鉄分を含むが、ステンレス釜だと6.2mg」と発表しました。ひじきの鉄分の多さは鉄釜で長時間加工することが関係していたようで、ひじきそのものに含まれるものでは有りません)

ただ動物性食品に比べ植物性食品の鉄分は吸収率が低いため、動物性たんぱく質、ビタミンCやクエン酸とと一緒に摂り吸収率を上げてやる工夫が必要です。

 

また、ビタミンB6や銅も吸収率をアップします。

胃酸の分泌を高めると吸収率が上がるので、酸味のある食材や調理を工夫したり、ゆっくり噛んで唾液を出す工夫も良いでしょう。

逆に吸収を下げてしまうのはインスタント食品のリン酸やほうれん草のアクのシュウ酸。アク抜きは大事ですね。

紅茶のタンニンは吸収率を下げると言われていますが、日本茶はあまり関係ない様です。

ビタミンB12・葉酸は通常の食事で不足することはあまり有りませんが、妊婦さんは必要量が増加しているので気を付けましょう。

ビタミンB12+葉酸+ビタミンCで吸収率はさらにアップします。

ビタミン類が多い野菜はなるべく三食摂りましょう。一回に摂ってほしい量は生野菜なら「両手のひら一杯」。茹でると量が減るので「片手一杯」。簡単目安で覚えやすいですよ。