更年期障害の原因は女性ホルモンの低下だけではない

更年期の症状が日常生活にまで影響するのが「更年期障害」、原因はホルモンバランスのゆらぎだけじゃ無い!

たくさんの事を抱える女性

女性の役割はとても多く、家庭では「妻」「母」、実家では「娘」、職場でも今は若いうちからバリバリ働く事で重要なポストに付いている人も大勢いる事でしょう。

更年期症状が出始める40代半ば位には子供が進学で家を離れる「空の巣症候群」による喪失感、夫の転勤、自分自身の職場での立場の変化、そろそろ親の病院通いの付き添いや介護を行う人もいるかもしれません。

50代では夫の退職などで生活環境が大きく変化したり、近親者や親しい人の不幸などもあるでしょう。

更年期「症状」と更年期「障害」の違い

女性の約9割は何らかの更年期症状を感じているという調査結果が有ります。

更年期の「症状」とは「肩こり」「疲れやすい」「頭痛」「腰痛」「のほせ・汗をかく(ホットフラッシュ)」「不眠」「イライラ」「皮膚のかゆみ」「動悸」「気持ちが沈む」「めまい」「胃もたれ」…と多種多様、個人差も大変大きいのが特徴です。

こういった症状が有って内科や整形外科、眼科、耳鼻科などを受診しても「原因不明」「不定愁訴」と言われるものはもしかするとエストロゲンの低下による更年期の「症状」なのかもしれません。

症状が軽くて我慢出来るもの、あるいは今は手軽に漢方薬がドラッグストアでも購入出来ますし、ホルモン補充療法の代替医療としての「エクオール」などを服用する事で症状が軽くなる方もいます。

しかし、それでは治らない状態が続いたり自分自身が辛ければ婦人科を受診していただきたいと思います。

ストレスを抱える方、ストレスを感じやすい方は症状が強くまたは数多く出現する場合も有ります。

痛みの感じ方には個人差があり、他人が「それくらいなら我慢できるでしょ」という痛みもご本人には辛い場合もあります。

また急に汗が滴り落ちるなどの症状は、人と接する機会・お仕事の方には辛い症状です。

たとえ女性ホルモン値が正常範囲でも生活に支障が有れば更年期「障害」と考え、治療を進めてくださる婦人科の先生もいらっしゃいます。

他にも多くの症状が次々出て来てとても辛い思いをする人もいるでしょう。

自分の日常生活に支障を来たす症状が更年期障害と言えるかもしれません。

一般的自律神経失調症状との違い

更年期の症状を見ると交感神経と副交感神経のバランスを崩した「自律神経失調症状」と重なる物が多く、不眠や気持ちの落ち込みなどはまずメンタルクリニックを受診してしまいがちです。

一旦メンタルクリニックのお薬の服用が始まると婦人科の薬を初めても効きづらい事を感じます。

働く女性でストレスを多く感じる方、40代を過ぎた方で「急に気持ちが沈む様になった」「眠れなくなった」という方にはまず婦人科的対処を取っていただきたいというのが私の個人的意見です。

イライラは更年期症状の一つとして女性の皆さんに認知されていますが、上記二つはまだまだ知られていないのが現状です。

一般的自律神経失調症状との見分け方は「自分が40代以降の女性である事」、症状発症に「エストロゲンの低下」が関係している事があります。

エストロゲンが関係していれば婦人科のみで対応できる場合が多々有ります。

それでも効果がなければ専門医の受診を考えてみましょう。

ストレス社会を乗り切るには

専業主婦の方はお子さんや親御さんの事、家事全般をきちんとこなしと毎日大変です。

働く女性も会社でのストレスもたくさんあるでしょう。

私自身が子供の巣立ち、親の介護、職場でのストレス…であらゆる症状が出現。終いには役職を退いた経験があります。

ストレスの感じ方は個人差がありますが、ストレスを跳ね返す身体と心作りをお若いうちから始めておくのも大事かと思います。

生真面目な性格の方は全てに全力で関わり、ストレスを抱えてしまう事もあります。

性格は変えられないけど、見る方向や角度を変えたり違った物に眼を向ける事でストレスが緩和される事もあります。

趣味は心の支えになります。運動は自律神経のシステムをコントロールします。

少し心が沈んだら代替医療で女性ホルモンを補い、それでもダメなら婦人科でさらに進んだ治療を行う事も可能です。

やはり女性は「太陽」、周りに対する影響がとても大きい存在です。

重症になる前により良いコンディションに保っておくよう自分でケアし、いつも明るいお母さん、妻、働く人でいたいものです。