10/7の学術集会より湘南記念病院 乳がんセンター長 土井 卓子先生の「ホルモン補充療法と乳がんリスク〜当診療科におけるここ5年間の分析から〜」のお話の中からお伝えします。
乳房痛
乳房に痛みが有ると「ガンかしら…」と気になります。
乳がんの痛みは常に同一部位で治療を開始するまでずっと続くものだそうです。
生理的な乳房痛はあちこちに出現し、ハリ感や違和感、月経前だけ出現、三ヶ月くらいで消失するものなので、この点で区別はつきます。
乳房痛が有るとき土井先生はエクオールで治療するようです。
HRTと乳がん
分析の結果、HRT施行の人とそうでない人との間に差はなかったようです。
HRTは乳がんを助長するものではないと考えられそうです。
欧米の乳がん発症は60代になってからがピークで、HRTを行っている期間とズレがあるためHRTとの関連がはっきりと区別できます。
日本では40代後半に第1ピークがあるため判断が難しい事も有りますが、HRTを行うことで医学管理が向上し、乳がん健診受診率が低い現在乳がんの早期発見に繋がる可能性も有ります。
乳がん後の更年期治療
乳がんの治療を始めるとエストロゲンを止めるため更年期症状が出現します。
土井先生はその様な方に次の三つで対応します。
- 漢方薬
- プラセンタ
- エクオール
エクオールには乳がん予防効果、再発予防効果も有ると言われ、タモキシフェンの作用をエクオールが増長するとも言われており乳がん患者さんに使用することは特に問題が無いと言うことでした。
土井先生は「更年期ラボ」にも寄稿されています。そちらもご覧ください →こちら。