月経シリーズ、前回は月経困難症の漢方(こちら)でしたが、今日は婦人科で処方される治療薬について。
従来品が改良された新しい薬も出て来ています。
LEP(Low dose Estrogen Progestin)
月経困難症の治療薬として2008年、2010年に発売された治療薬をLEPと呼びます。
LEPは脳下垂体に働きかけ排卵を抑えることで、子宮が厚くならないようにし痛みの原因物質の産生を抑えます。
その結果、子宮内膜症や月経困難症のつらい痛みを和らげます。
一般的な服用法は28日周期で休薬期間中(薬によって異なるが4〜7日間)に月経のような出血(消退出血)を起こします。
従来、この休薬期間中に骨盤痛や頭痛、腹部膨満感、乳房痛などのトラブルが出現していました。
LEP連続投与
新しいLEP連続投与では最大120日間消退出血を起こさせません。
そのため消退出血中に起きていた骨盤痛や頭痛、腹部膨満感、乳房痛さらに月経痛などのトラブルが少なくなります。
子宮内膜症の場合も同様の薬を服用しますが、月経回数が減ることで治療効果を上げることができます。
思春期をすぎた女性にとっての月経
思春期の女性が月経の状態を知ることは、身体の成長状態や異常を発見するためにとても重要なことです。
月経とは妊娠しようという準備を整えたけれど妊娠しなかった結果です。
思春期が過ぎ、自分が妊娠できる身体であることが確認できたなら月経は月に一度でなくても良いかもしれません。
昔の人と違い月経回数が多くなって来たことにより子宮内膜症や月経困難症、がんなどの疾患が増えて来ています。
妊娠の予定が無いのならつらい痛みを我慢しながら月一回月経を迎えるよりも、LEP連続投与で月経回数を減らしても良いかもしれませんよ。
妊娠を望む時には治療を中止すると今まで通りの月経が来ることが分かっています。
更年期の治療もそうですが、医療の進歩で新しい見解も出て来ます。
以前からの考えを改め治療を受けて、日々のQOL(Quality Of Life:生活の質)を向上させ明るく楽しく笑顔で過ごすことも良いのではないでしょうか。
(「果たして月経は月に一度必要か」もお読みください)