昔の人はたくさんお子さんを産むことで月経がない期間が多くありました。
今は昔の人の何倍も月経があり、その事で起こる病気も増えてきています。
月経困難症
月経中に起こるお腹の痛みや腰痛、疲労感などの身体の症状や、イライラや気分が落ち込むなどの心の症状が日常生活に影響するほど強く出る状態を「月経困難症」と呼びます。
10代後半〜20代前半くらいまでは月経の初日や2日目に強い症状が現れる事があります。(機能性月経困難症)
特に原因となる病気はなく子宮や卵巣の機能が定まっていないため起こるもので、妊娠・出産を経験すると症状が改善したりなくなる事が多いと言われています。
30歳以降にみられる月経4〜5日前から月経後まで続く痛みや月経期間以外にも痛みがある場合は子宮の病気が原因となって引き起こされている場合があります。(器質性月経困難症)
どちらも子宮内膜で作られる痛みの物質「プロスタグランジン」が多く作られ子宮筋が過度に収縮する為に痛みを感じます。
月経困難症の治療法
治療には主に薬が使われますが、症状や妊娠の希望などを考慮して選んでいきます。
鎮痛薬は痛みの物質「プロスタグランジン」が作られないようにするものです。
漢方薬はプロスタグランジンによって引き起こされる全身症状や腰痛、頭痛、吐き気などに働きかけます。
月経困難症治療薬(低容量経口エストロゲン・プロゲスチン配合薬: LEP製剤)は排卵を休ませたり子宮内膜が厚くなる事を抑える事でプロスタグランジンの過度な産生を抑え、痛みを軽くします。
他にも子宮筋の過度な収縮を緩める薬もあります。
痛み止めを購入するときは薬剤師の言葉に耳を傾けて
今はドラッグストアでも痛み止めが購入できます。
市販されているものは「ロキソニン」シリーズや「バファリン」シリーズ、エルペインコーワやイブなど様々です。
一回に飲む量や一日の回数、成分などが違いますから薬剤師さんに聞いてみて決めるのも良いでしょう。
ただ、中には「第一類医薬品」と言って薬剤師から説明を受けないと買えない薬もあります。
何故薬剤師から説明を受けなければならないのか。「いつも飲んでるからわかってるわよ〜うるさいなぁ」と思わないで!
そんなに頻繁に痛み止めを飲まなければならない状態は普通ではないという事をわかってください。
月経痛はないのが普通、ある事が異常だという事を皆さん気付いてください。
最初に書いたように何らかの病気のサインとなっている場合があります。
薬剤師はそのサインを見逃さないようにしています。
飲む回数が多くなっていないか、最近効かなくなったなどはないか、生理の時以外でも痛みがないかなどは婦人科受診の必要性のサインです。
安易に市販の薬に頼らず、きちんと受診を勧められたら病院へいきましょう。