薬局窓口ではその時のお薬の事だけではなく、いろいろな事を話していただける雰囲気を心がけています。
お話を聞いていると「おや?これは?」と思う時がしばしば。
話す事で気持ちが楽に
内科受診の50代女性は、他に心療内科も受診。
軽い安定剤が出ていた彼女。「本当はこんな薬飲みたくないんだけど、飲まないと気持ちが落ち込んで…」とおっしゃいます。
お母様が入院・手術。高齢のお母様に手術は本当に必要なのかも悩むところ。
できる限り見舞いには行くけれども、楽しい話で気を紛らそうとすると「私がこんなに辛いのに楽しそう」と言われてしまい、暗い話ばかりするようになったとか。「見舞いに行くとドッと疲れるんですよね」とおっしゃいます。
「ご自身の気分転換になる趣味などで、一人の時楽しい気持ちになりましょう」とのお声掛けに「そうだわ、私やりたい事があるんです」と笑顔で帰られました。
実際、趣味の時間が取れるか、実行に写せるか、ご自身の気分転換になるかはわかりません。
ただこの方の場合、話をする場所がなく一人辛い気持ちを抱え込んでしまっていたのかもしれません。
やりたい事に気がついて気持ちが明るくなったのなら、お役に立てたでしょうか。
更年期の症状が見え隠れ
内科にかかる更年期世代の方は、お話を伺っていると「もしや?」と感じる事があります。
私はそのような方にはまずエクオールのお話をしてみます。
最近は「エクオール」という言葉を知っている方は随分と多くなってきました。
中身まではまだまだ理解されていないようですので、きちんとご説明します。
お試しいただいて症状がスッキリすれば、それはエストロゲンの低下が原因だったと言えるでしょう。
更年期症状で不安感や気持ちの落ち込みが現れる方もいますが、女性ホルモンだけが関係している場合はエクオールだけでも以前の自分に戻れるようです。
前述の方は若い頃から心療内科も掛かっていたようですし、更年期症状とは言い切れないかなぁと感じました。
エクオールはファーストステップ
更年期の勉強を始めると全てがエストロゲンの低下が原因と考えてしまいがちです。
現に最近勉強を始めた同僚も「あの患者さんのこの症状も、この患者さんのアレも…」と話しますが、そう決めつけてはいけません。
この年代の女性は他にも疑わなければならない病気がありますし、もし更年期特有のものでも「更年期障害」という段階まで行ってしまうとエクオールでは太刀打ちできない事もあります。
私はまずエクオールはお勧めしますが、その後の確認は必ずします。
婦人科でさらに踏み込んで薬による治療を行う必要があるのではないか、違う病気を疑う必要はないか。
婦人科や血液内科、甲状腺科…症状の確定はドクターですが、選択肢を提示する事は可能だと思っています。
とは言ってもやっぱり
先日のNHK「あさイチ」でホルモン補充療法が取り上げられ「乳がんのリスクも心配ない」と放送された事で、HRTへの不安を取り除いた方もたくさんいたようです。
早速婦人科へ行きHRTを開始した方のお話もお聞きしました。とは言ってもまだまだ敷居が高い、浸透していない更年期の治療。
その点エクオールは手軽である、大豆という馴染みのものである、また薬ではないところが良いのかジワジワと広がり始め、その効果を感じる方が増えてきています。
「何が良いって言えないんだけれど『お母さん笑顔が増えたね』と子供に言われました」という方もいました。
何か今までと違う自分を感じたらまずエクオールで様子を見るのはいかがでしょうか?