エクオール講演会「女性疾患としての手の痛み」

エクオールはエストロゲン様作用を示す事から婦人科・皮膚科のドクターに以前から注目されていましたが、最近は整形外科の先生もエクオールの有用性を研究していらっしゃいます。

大塚製薬(株)ニュートラシューティカルズ事業部主催のWEB講演会で、四谷メディカルキューブ手の外科・マイクロサージャリーセンター 平瀬優一先生のお話を視聴しました。

手の変性疾患の90%は女性

変性疾患とは

  • バネ指・ドケルバン病などの「腱鞘炎」
  • 小指以外が痺れる「手根管症候群」
  • 手指の一番目の関節が膨らむ「へバーデン結節」
  • 二番目が腫れる「ブシャール結節」
  • ペットボトルを開けられ無いなどの「母指CM関節症」

などがありますが、四谷メディカルキューブ手の外科外来のこれら疾患の約90%は女性であり、またそのうちの90%が更年期女性だそうです。

原因はエストロゲン

これらの疾患は手指が変形していくのが特徴で、一旦変形した指は元には戻りません。

今までは「使いすぎ」「年のせい」「治りません」と言われていたこの疾患。しかし利き手ではない方にも症状が出たり、同じ仕事をしていても隣の人は変形していなかったり、年をとったら誰でも変形しているかといえばそうでは無い、と不可思議な事はありました。

経験的にこれら変形疾患が見られる患者さんは妊娠時・出産後や更年期の女性に多い事はわかっていました。

エストロゲン受容体は全身にあり、特に滑膜(関節胞・腱鞘・靱帯など)にたくさんある事がわかっています。

つまり閉経によりエストロゲンが抑制される、妊娠時の低値になる、40代前後からエストロゲンが不安定にゆらぎその量が日々変動する、などによって腱・腱鞘が腫れ、変性疾患が引き起こされる原因となっているようです。

ホットフラッュだけが更年期症状ではない

ホットフラッュがなかったため「私は更年期症状がありませんでした」と言う手指の変形疾患を持つ50代後半〜60代の女性に、先生は「これが更年期症状なんですよ」とおっしゃるそうです。

200種以上もあると言われる更年期症状。50代前半で手指の関節が何か変だと感じたら、それは女性ホルモンの低下が原因の変形性疾患の始まりかもしれません。

変形してしまうと治らないこの病気、変形を作らないで通り抜ける事はできないのでしょうか?

エクオールは骨にも効果がある

平瀬先生のところに手の痛みを訴え受診する人の98%が「エクオール非産生者」(エクオールを作れない人)でした。

日本人の約50%が作れると言われていますが、これはまさにエクオールと手の痛みの関係性がわかるデータです。

この様な患者さんにエクオール含有食品を3ヶ月摂取してもらい、経過を観察しました。

使用のエクオールは「合成品ではない」「大豆のみ発酵させている」「10mgという効果が期待できる一日量」の観点から大塚製薬の「エクエル」でした。

その結果、関節変形がまだ起こっていない、もしくは軽度である場合にはエクオールのみ、またはエクオール+治療(注射)で効果的であった。という結果が得られました。

しかしすでに変形してしまっている関節には効果は薄く、改善は見られなかったようです。

ヘパーデン結節の発症に男女比は無く、いずれもエストロゲンが関与していると考えられ、結節をもつ男性にもエクオールは効果的。男性は前立腺癌の予防にも効果的です。

 

指の関節が痛いのは「エストロゲンの急激な低下が原因」、どうして私だけがこんな病気に…というのは「エクオールが産生できないから」と平瀬先生。

このようなことから平瀬先生は「変形前の腫脹・痛みにエクオールは予防的に使用可能である」と結論付け、「使いすぎ」「年のせい」「治りません」と言う事ははもう無いとおっしゃっていました。