人に薬をあげてはいけないのは何故?

3/22にディケアさんで薬の基本をお話ししてきた内容を数回に分けてお届けします。

一緒に暮らしていると「この薬は良く効いたよ」「私の湿布を分けてあげようか」など自分の薬を他人にあげてしまうケースがあるようです。どうしていけないのかをお話ししました。

その人の症状に合わせて出ている薬

例えば、寝る前に飲む薬はその用途でさまざまな種類があります。

なかなか寝付けない方には超短時間型といって30分くらいでスッと効くものがありますし、寝つきは良いけれど夜中に起きてしまう方のためにある程度長く効くものもあります。

「眠れない」の一言でもその中身は多種多様です。その方の睡眠パターンに合わない薬を貰っても効かないことになります。

同じ薬でも容量違いもあります。名前が一緒だからと言って飲んでしまうと効きが不足だったり、多すぎて翌日朝もボ〜っとする可能性もあります。

風邪薬も総合感冒薬でない限り、咳止め・解熱剤・鼻症状・去痰・抗生物質…とさまざまな種類があります。

咳がひどい人に鼻の薬は効きませんよね。

さらに風邪薬に関しては「取っておいて次の時に使おう」はオススメしません。原則飲みきりで。

同じ症状が出るとは限りませんし、抗生物質に関しては飲んだり飲まなかったりを繰り返すことは危険です。

アレルギーが出ることも

原材料に小麦や牛乳が使われているものもあります。貰った人が小麦や牛乳のアレルギーを持っていたらどうなるでしょう。

自分に危険な薬とは知らずに飲むことでアレルギー反応が出てしまうこともあります。

湿布だから良いだろうと思うのも危険です。

薬の成分によっては喘息を引き起こす人もいますし、光に当たると貼った部分が赤くなる「光線過敏症」を起こす人もいます。

光線過敏症に関しては使用後4週間後近くまで貼った部分を光に当てないように注意する必要がある人もいます。

他人に薬を分けてあげる事は親切ではない

自分の薬は自分で飲んでしまうのが良いでしょう。

もし余っていってしまうなら、看護婦さんや薬剤師さんに相談して調節してもらうのが良いでしょう。

飲まなくても良い薬なら先生も止めてくれるし、絶対飲む必要があるならどうして飲めないのか考えて工夫する必要が有るかもしれません。回数が減ったり薬の形を飲みやすい物に変えてくれるかもしれません。

なんの薬だったか忘れてしまう可能性もありますし、以前飲んでいたけれど今は症状が変わってもう飲まなくても良い薬の場合もあるかもしれません。

その時もらった薬はその期間で飲みきる事が大事ですね。