エクオール含有食品はがん既往者にも使用可

2015年更年期と加齢のヘルスケア学会での慶應義塾大学医学部産婦人科の牧田和也先生のご講演内容です。

エストロゲンの役割

エストロゲンは妊娠・出産、女性らしさに関与するだけではなく

  • 心臓・血管に対する保護作用
  • 体温中枢に作用
  • 骨量の増加と維持、骨強度にも関与
  • コラーゲン量を増やし皮膚のバリア機能を高める

など様々な作用があります。それが低下するという事は皆さんがよく知っている女性ホルモン低下=更年期以外に脳機能の低下、LDLコレステロールや中性脂肪の増加、骨密度の低下、皮膚のバリア機能の低下による乾燥などが現れるようになります。

歳をとるにつれ脂質異常症、動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中、認知症といった心配事が出現してくるのです。

エクオールとは

大豆イソフラボンの中でももっともエストロゲンさようが協力と言われている代謝物(体の中で形を変えたもの)です。
女性ホルモン「エストロゲン」ととても形が似ているのでエクオールを身体の中で作れる人は更年期症状が軽いという研究報告があります。エクオールが見つかる以前は大豆を食べると更年期症状が軽いと言われていました。

しかし大豆製品を食べても調子が良くなら無い人もいた訳です。
エクオールを作れる人は日本人で約50%、若い人では20~30%と言われています。
残念ながら作れない人はいくら食べてもその恩恵に預かれなかったため、良くなら無い人がいたのも納得です。

効果はがん患者さんにも!

エクオール含有食品(今回は大塚製薬エクエル)を更年期症状発症の女性に3ヶ月服用していただき、症状変化を検証しました。
更年期特有症状(ホットフラッシュ、肩こり)、全身骨密度、肌シワすべてに改善が認められたという結果を得てます。

さらに乳がん・子宮体がん・卵巣がんでHRT(ホルモン補充療法)を出来ない(実際は乳がん以外は「慎重投与」)患者さんにもこのエクオール含有食品は服用可能で、がん既往の方も3ヶ月飲んだ時点の更年期症状が「かなりの改善」または「ほぼ改善」したという方が55%いらっしゃいました。

このエクエルは大豆のみで作られた製品で保存料や添加物も含まれて無いため、お食事で大豆製品を食されるのと同じと考えて頂いて構わないと思います。そこにご自身では作ることのできないエクオール成分が含まれているとお考えください。

 

がん既往歴のある患者さんには治療やお薬が制限される事もあり、更年期の辛い症状がなかなかスッキリしない事もあります。
食品から作られているこのエクエルはその点安心です。

さらに薬の作用を妨げる事がありませんので、漢方薬などとの併用も可能です。