リラックス状態を作り出せる〜リラクセーション反応〜

帝京平成大学ヒューマンケア学部看護学科母性看護学・助産学 日置智華子先生の「若さを保つリラクセーション〜ストレスとの上手なつきあい方〜」という演題から学んだ事をお伝えします。

更年期とストレス

更年期は人生の転換期でもあり、女性は閉経や加齢に伴う身体的ストレス、ライフイベントや人間関係から生じる心理・社会的ストレス、環境ストレスといった多様なストレスにさらされます。
この時期のこの度重なるストレスが心身の不調につながる事もあります。
そこでストレスを解消したり、ストレスに対する抵抗力を高めたりする事が出来れば更年期を上手に乗り切っていく事が可能になるのではないだろうかと考えるわけです。
ストレスを自覚し、上手に付き合って行く事をストレスマネジメントといいますが、その一つの方法として「リラクセーション」が有効です。
「リラクセーション反応」を引き起こす事で、自分の力でリラクセーション状態を作り出しストレスから解放される方法を身につけるセルフケアとしても期待できます。

リラクセーション反応とは

リラクセーション反応とは代謝の低い、独特な生理状態を誘発し、過剰なストレス反応を解除する技法です。
特徴としては代謝・血圧・心拍数・呼吸数・筋緊張は減少、筋肉血流量に変化はなく、α波が増加するようです。
つまり副交感神経優位となり、交感神経活性化を落としてやる事になるわけです。
睡眠・休息とは異なった独特な生理状態でこの二つを上回る鎮静作用があるようです。
リラクセーション反応を誘発するには呼吸や姿勢などに注意が必要なようですが単語や音、祈り、筋肉運動を反復し雑念をやり過ごし、また反復作業に戻る、といった過程でリラクセーション反応を誘発する事が可能の場合もあるようです。
自律訓練法や瞑想といったよく知られているものの他に運動や日常動作でも意識の焦点を一点に絞り、動作などを反復する事でリラクセーション反応というものを作り出せるのではないか、という文献もあります。
この方法だと編み物、ジョギング、水泳そしてフラのベーシックステップなどでもリラクセーション反応を作り出せるのではないかと思われます。

マインドフルネス

マインドフルネスとは今の瞬間に注目し、今の自分に「気づく」ことを目指すことのようです。

瞑想の手法をベースにして「集中力」を高めたり、自分の気持ちをコントロールできるようにする、いわば「心の筋トレ」と言えるかもしれません。

近年医療機関などでも「注意」をどこに向けるのかをトレーニングすることによって、痛みやストレスに適切に対処することができるようになる「マインドフルネス・ストレス低減法(MBSR)」が普及してきています。

iPhoneのヘルスケアにも「マインドフルネス」の項目があり、心を静めて、力を抜いてその瞬間に集中し、リラックスを促しています。

 

呼吸や動作、瞑想法でその状態に持っていくリラクセーションとマインドフルネス。

リラクセーション反応は「現実から離れその状態に身を置く」といった意味合いがあるように思いますが、マインドフルネスはときには嫌なものに注意を向けることもあり、心の強さを身につけることで「ストレスに立ち向かう」ことも可能なのかもしれません。