女性更年期障害に対するサポート〜対象薬、食事療法を理解する〜②

1月19日開催の第250回薬剤師臨床セミナー 特別講演は旭川医科大学産婦人科学講座 周産母子センター講師 加藤育民先生のお話。

漢方

漢方は微小循環障害を把握し末梢から帰ってくるものに対する薬です。

体温を上げるものであり、西洋の薬にこのように体温を上げるものはありません。

中国漢方は瘀血(おけつ)の考え方をします。骨盤は血管がたくさん集まっている場所です。ここに血液が滞ると不調になると考えます。

この瘀血に効果があると言われ、婦人科の三大漢方薬と言われるのが「当帰芍薬散」「加味逍遙散」「桂枝茯苓丸」です。

妊娠前は「桂枝茯苓丸」。冷えをとり妊娠しやすくなると言われています。桃仁が関係しているかもしれません。

ここで桃太郎のお話。「むかしむかし、おじいさんとおばあさんがいました」

このころの平均寿命は50歳に満たなかったでしょうからおじいさんとおばあさんはおそらく30〜40歳。まだまだ妊娠可能な時期であったにも関わらず子宝に恵まれていなかったのでしょう。川上から流れてきた桃を食べたおばあさん、種も食べたかもしれません、瘀血が改善しめでたく妊娠し桃太郎が生まれた…という説もあるようです。

「当帰芍薬湯」には川に関係するものが二つ入ってるので流れを良くしむくみを改善します。

妊娠したら「当帰芍薬散」が良いと言われています。

 

体温が1度下がると代謝は12%、免疫は30%低下します。代謝低下でメタボになり、免疫低下で感染症にかかりやすくガンにもなりやすくなります。

漢方での生姜(ジンジャー)、附子、細辛、桂枝(シナモン)は体を温めます。生は浅いところを乾燥させたものは深部を温めます。漢方の良いところは温めて身体を直そうというところです。

医食同源

医食同源は日頃からバランスの取れた美味しい食事をとることで病気を予防し、治療しようとする考え方のことです。

カルシウムやビタミンD、ビタミンK、マグネシウム…いろいろ身体に良いものはありますがその中の一つにイソフラボンがあります。

1日の大豆摂取量の目安は納豆2パック=豆腐1丁=大豆飲料約2杯くらい。なかなか摂れませんね。

今では大豆と特定の乳酸菌によって、効果のある成分であるエクオールを作ることができ商品となっています。

この乳酸菌を持っていてエクオールを作れる人は日本人でも50%と言われていますが、若い人は20〜30%しか作れる人がいないと言われているため、手軽に手に入るのは大変嬉しいことです。

エクオールの作用するエストロゲンレセプターは全身にあるため、手足の冷えや精神症状、肌荒れにも効果があります。

特に良いのは乳がんリスクを変化させないため、乳がんの方で若くして更年期症状に悩んでいる方にも飲んで頂ける事です。

男性にも良い効果があると言われていますから、更年期症状だけではなく医食同源の観点からも注目です。