骨粗鬆症予防のコツ!

田辺製薬株式会社「骨粗鬆症と骨折」より
田辺製薬株式会社「骨粗鬆症と骨折」より

女性ホルモンが減った後数年〜10年くらいで骨密度・骨量がグッと下がります。

骨は入れ替わる

みなさん骨は一度出来たらそのままのイメージがあるようですが、骨には骨を溶かす細胞「破骨(はこつ)細胞」と作る細胞「骨芽(こつが)細胞」があり、壊しては作りを繰り返し入れ替わっていきます。

若い方では1年間に骨の約30%が入れ替わると言われ、骨量は18歳頃に最大となります。

40歳くらいまでは破骨細胞と骨芽細胞の働きのバランスが取れていて骨量はほぼ最大値のままキープされますが、40代後半からはバランスが崩れ骨量が減少していきます。

骨量がどんどん減少し骨の中がスカスカの状態を「骨粗鬆症」と言います。

骨粗鬆症の原因

原因としては運動不足、華奢な体格、偏食・ダイエット、遺伝、閉経、過度の飲酒・喫煙、加齢、特定の病気(副甲状腺機能亢進症などの内分泌疾患、関節リウマチのほか、動脈硬化や慢性腎臓病、慢性閉塞性肺疾患、糖尿病などの生活習慣病)・特定の薬(ステロイド薬の長期投与)などさまざまな原因が考えられます。

特に女性はエストロゲンによって守られていた骨量が閉経と共に減少し、骨粗鬆症になる率は男性の3倍と言われています。

治療の一つは食事

骨の維持のためには何と言っても「カルシウム」「ビタミンD」「ビタミンK」

カルシウムやビタミンDは昔からよく知られていますが、ビタミンKはあまり馴染みがないかもしれません。

ビタミンKはカルシウムの骨への沈着を促す働きもあり、骨の形成に欠かせません。骨からカルシウムが溶け出していくのを抑える働きもあると考えられています。

多く含む食品は納豆やキムチなどの発酵食品、ほうれん草、小松菜、海苔、抹茶など…野菜や果物だけでなく、肉や卵などの動物性食品も含めた幅広い食品に含まれています。

ビタミンDは日光浴で増えることはよく知られていますが、食品では鮭やサンマ、きくらげ、干ししいたけなどに多く含まれます。

運動も重要

かかとを高く上げて膝を伸ばしたまま打ち下ろす「かかと落とし」は骨に体重と同程度の負荷を掛けることで骨の成長を促します。

昇降運動も膝を伸ばした状態でかかとから着地すると体重の1.5倍程度の負荷を掛けることができます。

ご年配の方はどちらもバランスを崩さないように椅子や手すりにつかまって行うと良いでしょう。

目標は50回程度、リズミカルに行うことで衝撃運動となります。

バランス感覚を養い転倒予防

骨粗鬆症により骨折しやすい部位は、背骨の骨、脚の付け根、手首、腕の付け根です。

足の付け根の骨折は歩行が困難になり要介護状態になるリスクが高い部位です。この骨折うち85%は転倒が直接的な原因となっているため、骨を強くする他に転倒予防が重要となってきます。

片足立ちやその場で前後にステップ、足の指を使ってタオルを引っ張り寄せるタオルギャザーで指の力を鍛えておくことも安定した立位を保てる要素となります。

 

閉経後の女性にとって骨は重要。食事と運動、バランス感覚で転倒を未然に防ぎ骨折しないよう気をつけたいものです。