冷え・寒気も

女性は冷え性の方が多いですが、極端な冷えや寒気もホルモンバランス転換期には起こる症状の一つです。

本社(視床下部)は現場を知らない

 エストロゲンは全身を守っていることはお話しましたが、ストレスや加齢などで卵巣からのエストロゲン分泌が急激になくなっても頭にある司令塔(視床下部)はそれに気づきません。

「もっと出せ〜」「出てないらしいじゃないか、何やってんだ〜!」と劇を飛ばし続けます。

現場は材料がないんだから製品は作れないのに本社から催促のメールや電話が鳴り続けるようなものです。

視床下部ではエストロゲンを出せ出せ!というホルモン(FSH=卵胞刺激ホルモン)が多量に出て、卵巣からはエストロゲンが出ない。まさにこれが世に言う更年期、ホルモンバランス転換期の典型的な状態です。

視床下部はいろんな司令塔

視床下部はホルモンばかりでなく、自律神経も司る司令塔。

自律神経は交感神経と副交感神経の2つから成り立ち同じ器官(体の部位)で相反する働きをし人間の体を一定に保つようコントロールしています。

そのためFSHが多量に出るような視床下部パニック状態になった時は自律神経系もバランスを崩してしまいます。

自律神経失調症状とはこのバランスが崩れた場合に起こる症状の総称ですが、一般的な自律神経失調症との大きな違いはホルモンバランス転換期では発症の要因としてエストロゲンの欠乏が関係しているところです。

ですからホルモンバランス転換期の自律神経失調症状は、エストロゲンまたはエストロゲン様物質を補ってやると症状が穏やかになります。

いろいろな自律神経失調症状

冷えや寒気は自律神経失調症状の中でも「血管運動神経系」の症状。

血管運動神経系の症状は他にホットフラッシュ(のぼせ、ほてり、発汗など)や動悸もあります。

ホルモンバランス転換期の冷えや寒気はホットフラッシュと一緒に起こることが多く、主に自律神経が乱れたことで起こる血行不良が原因と言われています。

顔や頭からは汗が噴き出すのに、手足は冷たい。こんな症状は自律神経のバランスが崩れた状態なんですね。

ちなみに前回お話した肩こりも自律神経失調症状の一つ。こちらは全身症状。疲労感が抜けないなども同じです。

(肩こりの話は→こちら