骨髄バンクを知っていますか?命のボランティア

水泳の池江璃花子選手が白血病の治療に専念している事は皆さんもご存知でしょう。今回の池江選手の白血病公表後、骨髄バンクの登録が急増したという事ですが、日本で白血病や血液の病気で非血縁者間(家族でない人から)の骨髄移植や末梢血幹細胞移植を必要としている患者さんは毎年少なくとも2,000人を数えます。

移植のポイントはHLA型

家族から骨髄移植を受けられることは大変恵まれたことです。

移植のキーポイントはHLA型。白血球の型です。

HLA型は、両親から半分ずつの遺伝子を受け継ぐため兄弟姉妹間では4分の1の確率で一致。

親子では稀にしか一致せず、非血縁者間では数百から数万分の1の確率。

だからこそ広く一般からドナーを募る骨髄バンクが必要となるのです。

ドナー登録者が増えることで助かる命も増えます。

ドナー登録できる人は

 ドナー登録出来る方は

  • 骨髄・末梢血幹細胞の提供内容を充分理解している方
  • 18歳以上54歳以下
  • 体重が男性45kg以上/女性40kg以上の方

(他にも注意点や登録できない方の条件などもあります)

登録年齢は18歳からですが提供は20歳以上。

臍帯血の提供も出来ます。

臍帯血(さいたいけつ)とはお母さんと赤ちゃんをつないでいる、へその緒や胎盤の中に含まれている血液です

臍帯血幹細胞は骨髄幹細胞や末梢血幹細胞に比べると未分化で、少数でも骨髄の機能を回復させる能力をもっています。

患者さんと臍帯血のHLA抗原すべてが一致していなくとも移植が可能という利点があるようです。

ご理解のある妊婦さんは産院に相談すると良いそうです。

骨髄バンクの基本理念

ドナーの善意で提供していただいた健康な骨髄や末梢血幹細胞の移植によって、白血病などの治療が困難な血液疾患の患者さんを広くしかも公平に救うこと。これが骨髄バンクの基本理念です。

骨髄・末梢血幹細胞の提供ではドナーの安全が最優先されます。

過去にはドナーの健康上の被害が生じた事例も有りますが、いずれの場合も治療により回復し通常の生活に戻っています。

実際に提供する場合は入院や通院が必要になるなどの負担があり、周囲の理解や支援も不可欠です。

骨髄バンク事業では京都大学iPS細胞研究所が企画する「再生医療用iPS細胞ストック」に協力しています。

京大iPS細胞研究所では「拒絶反応が起きにくいHLA型」を持つ健康なドナーの方の血液からあらかじめiPS細胞を作成してストックする事を進めており、約50種類ストックする事で日本人全体の約7割の患者さんの治療が可能になるそうです。

採血はたった2ml

ドナー登録は、約2mlの採血ですみます。

一人でも多くの患者さんを救うには、一人でも多くのドナー登録が不可欠です。

適合するドナーの方を待ち望む患者さんにとって、皆さんの登録が命をつなぐチャンスになるかもしれません。

ドナー登録はお近くの献血ルームや赤十字血液センター、各地保健所で出来ます。

また、窓口以外での登録の機会として全国各地でドナー登録会が行われているようです。詳しくは骨髄バンクのホームページ(→こちら)をご覧ください。