よく聞く高麗人参や霊芝(アガリクス)は漢方薬なの?
生薬ブレンドの薬用酒は漢方?
生薬と漢方薬は違う
生薬とは、植物や動物、鉱物などの天然産物由来で単品のものを言います。
写真の高麗人参や霊芝(アガリクス)、葛の根も単品では生薬です。
漢方薬は2種類以上の生薬を「決められた」分量で組み合わせたもの。
養◯酒のように生薬をブレンドしてあっても決められたレシピで無いものは薬用酒と言われます。
薬膳茶や薬用酒、民間薬は経験的に使われてきた薬草などを各々の考え方で摂取しているもので、効果がわからないものが多いようです。
一方漢方薬は漢方医学に基づいて使用する条件も細かく定められており、統計学的に効果があるとわかっているもので医薬品として正式に認可されています。
中国から伝わったものは日本で進化し、流派も複数あり「漢方」という独自の進化を遂げています。現在までに承認処方は200を超えます。
西洋医学との違い
西洋医学は病名をはっきりさせ、それにあった薬を出すもので芽をつむものです。
種は残るため再び病気の芽が出ることもあります。
東洋医学・漢方は種を取り除き健康な身体へと導きます。未病の段階で漢方を飲んで種を取り除くことも可能です。
種が奥まで入っていると時間がかかることもありますが、取り除けば芽が出てくることはありません。
統計学的効果に基づいていますが、近年科学的に証明する研究も進められています。
効果がすぐ出る漢方もある
漢方は効くまで時間がかかると思われがちですが、風邪薬などはすぐ効きます。
それは成分の大きさによる違い。低分子成分はそのままの形で吸収され1時間以内で効果があり、8時間でほぼ血中から無くなります。
即効性の漢方には風邪・肩こり・頭痛に効果がある葛根湯、こむら返り・ぎっくり腰に処方される芍薬甘草湯、打ち身・捻挫の治打撲一方などがあります。
副作用は無いわけでは無い
天然のものだから大丈夫という訳ではないんです。
比較的副作用は少ないですが、植物性のものが多いため人によってはアレルギーが出る人もいます。
体質的に合わ無い人は副作用は出ます。
特に「甘草」は漢方薬の約7割に使用されているため、これを含む漢方を複数飲むと体内の甘草量が多くなりすぎ血圧の上昇や低カリウム症、むくみなどの副作用が出現します。
漢方はその症状とその人のタイプに合わせて処方されます。
一つの症状に一つの漢方では西洋医学と同じで出てきた芽、それぞれに対処しているのと同じです。
もしも漢方薬を複数飲んでいる場合は、タイプに合った複数症状の原因である種を見つけられる漢方専門薬局で、200以上もある処方の中から自分にピッタリ合う漢方薬を探し出してもらうのが良いかもしれません。